- 入社後、技術本部への配属となり、コア技術開発に取り組む。工場全体の生産性向上につながる技術開発を担当し、製造スタッフへの技術指導も手掛けた。入社5年目からは、製造本部に異動し、工場内の設備・機械の改善、メンテナンス等を主に担当している。
- 設備・機械の改善業務では、作業者の使いやすさ向上、不良率の低減を目的として日々改善点を分析している。特に重視しているのが、製造現場の声を反映した改善。生の声を生かして改善策立案につなげることで、技術や効率面での工場全体のレベルアップを常にめざしている。
始業・生産ライン立上げフォロー | |
生産設備修繕・メンテナンス | |
昼休み・昼交代(ライン作業者が昼休みの間、代わりにラインに入る) | |
現場改善活動・ 生産設備図面作成 |
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生産終了まで随時生産ラインフォロー | |
退社 |
東拓工業のどんなところに魅力を感じて入社されましたか?
大学で学んだ機械工学の知識が生かせる仕事を探していた中で、まず部品単体だけではなく完成品を扱っているという点に興味を持ちました。さらに研究・開発から製造、販売まですべて自社内で連携しながら行っている点に魅力を感じたことと、パイプやホースという少し変わった製品を手がけることから、モノづくりに面白みがあるのではと思いました。
入社から今日までの仕事について、具体的に教えてください。
最初の4年間は開発部門で、当社のモノづくりの核となるコア技術の研究に取り組んでいました。樹脂原料は品質にバラツキが生まれやすい素材です。仕入れた原料のロットによって微妙に品質が変化したり、工場内の気温や水温によっても変わります。だからこそ、いつ・誰が作業しても一定の品質を確保できるような技術開発はとても重要で、そうした研究を主に担当していました。5年目に製造部門に異動し生産技術として、製造現場を技術面から支える仕事をしています。具体的には生産設備の改良や作業を効率化する方法を考えています。
- 生産技術
- 製造現場で最も重要な言葉は、「QCD」。Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の3つを意味し、良いものを、より安く、より早く作ることは、あらゆるモノづくりの使命と言えます。生産技術はどうしたら工場全体がより効率的に動けるようになるか、ミスや事故を防ぐことができるかという視点から、技術の力で最適化に取り組む仕事です。製造プロセスの改善を通して、モノづくり力の向上を高いレベルで実現することができます。
ご自身のキャリアの中で、成長につながったと思うのはどんなところですか?
結果的に、開発と製造という2つの部署を経験できたことが今の私のベースになっています。どんなに優れた技術を開発しても、製造現場で実行できるものでなければ意味がありません。さらに製造設備も重要で、人にとって使いやすいかどうかが効率に大きく影響します。開発部門で学んだ東拓工業ならではの技術と、製造現場で学んだ「現場第一」という考え方の両方が合わさって、技術を形にするアプローチの基礎になったと思います。
東拓工業では「現場第一」を大切にしているということですね。
図面を描くことは学校でも習います。製品の品質を上げる方法も理屈ではいくらでも考えられます。ですが知識だけでものを作ると、実際の現場では使いづらかったりしてしまいます。知識だけでなく、知恵と工夫、そしてよく「現場100遍」と言われますが、現場の視点に寄り添い、その意見をフィードバックすることで初めて技術が形になります。こうした地道なトライアンドエラーの繰り返しこそが、東拓工業の歴史であり、技術力の裏付けだと思います。
- 現場の視点
- 現場の声から生まれる小さな工夫が、作業効率の大きな改善につながることは決して珍しくありません。例えば、スイッチを取り付ける位置。設備を毎日扱う製造スタッフだからこそ気づける小さな改善と言えるでしょう。些細に思える工夫であっても、長期的な目で見た場合に作業にかかる時間を大幅に短縮したり、ミスや事故を未然に防ぐことになるのです。何よりもこうした現場第一の視点が、製品の品質を支えています。
今の仕事で感じるやりがいについて教えてください。
自分の仕事の評価をダイレクトに聞けて、反省点を次の仕事に生かせる点がやりがいです。私の仕事を評価してくださるのは、製造現場でモノづくりに取り組んでいる製造スタッフの皆さんに他なりません。新しく導入した設備や機械が、本当に使いやすく生産性の向上に貢献しているのか、品質の改善が上手くできているのかは、工場に行けばいつでも分かります。「仕事がしやすくなったよ!」という声が、次の仕事へのモチベーションですね。
これからチャレンジしていきたい仕事は何ですか?
工場の生産設備・機械のほとんどが自社内開発であり、独自の生産体制を構築できていることが当社の強みです。その一方、故障した際のサポート体制や、設計する人によって設備のクセが異なるのが課題です。これからは、新人でも一定の設備が設計できるような統一基準の整備や教育を進めていきたいです。また関東の新工場立ち上げが近づいており、現在は設備レイアウト等の設計にも関わっています。使いやすい、人に優しいライン設計を目指し、試行錯誤しています。
- 生産設備
- 東拓工業の工場内にある生産設備のほとんどは、自社内開発したオリジナルの設備・機械です。産業機械メーカーに勝るとも劣らないだけの技術・ノウハウが蓄積されています。高品質なモノづくりを支える陰にはこうした設備・機械の改良や開発を手掛ける、機械知識に優れたエンジニアの存在があります。このように、製品に関する知識だけではなく、機械や電気、構造力学など多様な分野でそれぞれの第一人者が社内に在籍しています。