東拓の人 PERSON

壁を乗り越えた数だけ成長できる。失敗から学ぶのが、真のモノづくり。 古賀将太 2011年入社 営技術本部 技術部 技術1課 工芸科学研究科 先端ファイブロ科学専攻
PROFILE
大学院での高分子化学・繊維関連の研究知識を生かすため、樹脂加工メーカーである東拓工業に技術職として入社する。製造本部での勤務を経て、現在は技術本部に所属し、評価・試験業務を担当する。2017年からは、樹脂材料の開発部門にて活躍する。
WORK
市場にリリースした後の製品の改良や不具合に関する評価および原因追求、対策の検討が基本的な業務。通常試験では対応できない場合は、新しい試験方法を検討する他、必要に応じて試験設備の設計から行う。様々な試験・評価検証を通して、製品の品質改善やコスト削減、生産性の向上に貢献することが最大のミッション。
SCHEDULE OF ONE DAY
9:00 朝礼、メール確認、当日の予定(作業内容)のチェック
10:00 試作品の評価・試験
13:30 評価結果を受けての課内で
検討、打ち合せ
15:00 技術資料の作成
17:00 新しい製品改善案の検討、
製品・設備の設計業務
19:30 翌日の準備をして退勤

技術職として東拓工業に入社することを決めた理由は?

もともと大学で繊維等の素材について研究をしていたことから、高分子化学や樹脂についての知識が生かせる企業として、樹脂加工メーカーである東拓工業に興味を持ちました。とは言え、最初はパイプやホースのことはさっぱり分かりませんでした。企業研究を通して、家電製品やインフラなど私たちの生活を身近なところで支える多様な用途があることを知り、広く社会に役立つ製品づくりに知識を生かせそうだと思い入社を決めました。

現在の仕事について教えてください。

今は電設・土木用途の既存製品の評価が主な仕事です。東拓工業の製品は、市場にリリースした後も常に改良が繰り返され、品質向上が図られます。改良された製品が、きちんと設計通りの機能になっているか、耐久性や強度等の細かな指標で試験・評価するのが私の役割です。万が一にも見落としがあるまま製品が流通すれば、クレームが発生するだけでなく、製品の回収といった事態にもつながるだけに、責務の大きさを常に感じています。

試験・評価
試験・評価の項目は製品によって様々ですが「寸法」「強度」「物性」などいくつものチェックポイントがあります。中には、見た目の品質を問われる製品もあり、「外観の良さ」も評価項目です。試験は水圧試験機や衝撃試験機といった機器を用いて行われますが、その機器そのものも東拓工業では自社で開発しています。極めて高い品質を誇る製品は、独自の機器や厳しい評価基準によって生み出されているのです。

これまでの経験の中で、
特に成長につながったと感じたものを一つ教えてください。

土木用パイプの製品改良で、お客様の希望に沿う製品を完成させたことです。パイプ同士のつなぎ目である「継手」と呼ばれる部品で、既製品よりも強度があるものが欲しいというご相談がありました。特注品だけに生産に時間がかかるのですが、なんとか納期を短縮してほしいというご依頼です。期待に応えるためにもあらゆる角度から検証して、仮説を立ててはトライアンドエラーを繰り返した結果、なんとか要件を全て叶える形で製品化できました。

「強度」と「納期短縮」という課題をどのようにクリアしたのですか?

採用したのは、FRP(繊維強化プラスチック)の補強部分をポリエチレンに置き換える方法でした。FRPの加工時間が3~4日程度かかるのに対し、ポリエチレンなら3時間で可能だという点に着目したのです。強度の面で劣る問題は、特殊な補強方法を見つけることで補いました。改良プロセスで作った試作品の数は100以上。どうやったら目的の品質にたどり着けるか何度も検証して正解にたどり着けたことは、自信を持てる体験となりました。

目的の品質
試験・評価の業務において重要な視点は、「本当に解決するべき課題は何か」ということ。製品の不具合の原因を突き止め、解決策を講じる場合でも、原料に問題があるのか、あるいは製品設計か、製造工程かなど、その原因を特定するのは簡単なことではありません。全く同じ仕事はなく、常に創意工夫や柔軟な発想が求められますが、目的や本質を見失わないことが、的確な仮説検証につながっていくのです。

東拓工業を選んで良かったと思うのはどんな点ですか?

やはり、自分が手掛けた製品が社会の様々なシーンで役立っているのを目にできることですね。トライアンドエラーの成果物という点で思い入れがあるのはもちろんですが、それに加え、意見を尊重してもらえる社風なので、自分の想いを製品や設備の中に込められることも愛着を深くさせています。製品を通して、自分の想いを世の中に送り出していると実感できる。東拓工業だからこそ感じられるやりがいだと思います。

これからチャレンジしていきたい仕事は何ですか?

今後は、材料研究の分野で新しい仕事に関わる予定です。樹脂製品のホースやパイプの場合、原材料が品質や機能に与える影響はとても大きく、例えば製品に課題が見つかった場合でも、形状はそのままにして材料面で解決策が見出せれば、製造方法や設備を大きく変更せずに改良することができます。これまでの技術部門で培った評価の視点も生かしながら、材料の力でこれまでの常識を変えるような製品開発につなげたいですね。

材料研究
東拓工業は材料の研究も行いますが、樹脂だけでなく他の素材と組み合わせたハイブリッド製品の開発を得意としています。素材の組み合わせや使い方は製品の性能を決める重要な要素で、積み重ねた独自のノウハウを生かしてユーザーのニーズに柔軟に応えています。アイデアや工夫次第で、これまでになかった画期的な製品を生み出し、不可能と言われていたことを可能にする、次の「当たり前」をつくるのが開発の仕事です。

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